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「病歴・就労状況等申立書」の作成のポイント

「病歴・就労状況等申立書」の作成のポイント

(1)(はじめに)

障害年金の申請にあたっては、「病歴・就労状況等申立書」を提出することが必要です。
この「病歴・就労状況等申立書」は、自分で作成するものですが(社会保険労務士が作成代行することもできます。)、「どのように書いたらよいかわからない。」「書くのが面倒で負担になる。」との声もよく聞きます。
その背景には、年金事務所では、書き方の詳しい説明がなく、また見本を渡されることがないという事情があると思います。

しかし、障害年金の申請において、自分で書いて提出できる書面は、唯一この「病歴・就労状況等申立書」のみなのです。「病歴・就労状況等申立書」の中でしか、自分の症状や状況などを訴えることができないのです。

そして、「病歴・就労状況等申立書」の内容が、障害年金の審査結果を左右することが実際にもあります。説得力を持った「病歴・就労状況等申立書」は、障害年金受給に向けての有力な武器にもなるのです。
そのため、「病歴・就労状況等申立書」を軽く扱うことなく、その重要性を認識するとともに、十分な準備のうえで作成を進める必要があります。

当事務所では、「病歴・就労状況等申立書」の作成を代行しており、経験を積んでいます。
その多くの成功事例を顧みて、「病歴・就労状況等申立書」は、何を書いてもよいというわけではなく、書くべき内容や方法についての「踏まえるべきポイント」があると考えています。
日頃、「病歴・就労状況等申立書」の作成にあたって、重視していることや心がけていることなどを、順を追って説明させていただきます。
「病歴・就労状況等申立書」作成の際に少しでも参考にしていただければ幸いです。

(2)(「病歴・就労状況等申立書」の作成のポイント)

「病歴・就労状況等申立書」を作成する上でのポイントについて、以下の2つの観点から説明をしていきます。

  1. Ⅰ どのような「視点」を持って作成すべきなのか。
  2. Ⅱ どのような書き方をすればよいのか。(作成の方法)
Ⅰ どのような「視点」を持って作成すべきなのか。

およそ文書を作成するにあたっては、文章の羅列に終始するのではなく、「視点」や「観点」を持って作成することで、骨太で筋の通った内容にし、また説得力を持たせることができます。「病歴・就労状況等申立書」においても、また同様と言えます。
では、どのような「視点」を持って「病歴・就労状況等申立書」作成にあたったらよいのでしょうか。それは、以下の2つの「視点」です。

  1. ① 診断書とリンクさせること
  2. ② 「障害認定基準」を意識すること

両者とも、ともに大切な内容と考えています。順を追って説明をしていきます。

① 診断書とリンクさせること。

「病歴・就労状況等申立書」は、診断書の記載内容とリンク(連携)させるべきであると考えます。この考え方の根底には、「病歴・就労状況等申立書」と「診断書」とを一体のものと捉える発想があります。

その意味するところ(リンクさせる)の一つの例は、以下のとおりです。

まず診断書を何回も読み、その内容を頭に入れ、診断書の内容と矛盾しないように意を配ります。その上で、「診断書の内容を補強する。」という記載方針をもって「病歴・就労状況等申立書」の作成を行っていきます。

具体的には、まず、「症状や障害の程度」「日常生活の状況」「就労状況」などに関する診断書の医師の記載内容に目を向けます。
そして、それらの記載内容に、「細かい記載が省かれ、簡潔な内容に留まっていないか。」「主要な事実関係などの記載が抜けていないか。」「一見しただけでは意味がよくわからない記載がないか。」「事実に相違していたり、不正確な記載がないか。」をよく確認します。
もし、上記にあたる記載があるのであれば、医師に診断書の訂正の依頼をすることになります。
しかし、「訂正に応じてくれない場合。こちらの依頼内容のとおりには訂正してくれない場合。」「そもそも、訂正依頼にはなじまない内容。」もあります。

そうした場合には、診断書の内容を踏まえつつ、「病歴・就労状況等申立書」の中で、「診断書では省かれている細かい内容について、必要な文章や言葉を付け加えていく。」あるいは、「診断書の中の意味がよくわからない箇所について、自分の言葉でわかりやすく説明を行っていく。」などを行っていくのです。
その結果として、診断書の記載内容が明瞭となり、またより説得性が増すことになるのです。(但し、「病歴・就労状況等申立書」の内容によっては、逆に診断書の内容が不明瞭となったりすることのリスクもあります。その点には十分に注意をすることが必要です。)

医師が作成した診断書の内容は、固定的な(不変な)ものではなく、「病歴・就労状況等申立書」とリンク(連携)させることによって、診断書の記載内容の評価・解釈は、変動する可能性があるものなのです。

② 「障害認定基準」を意識すること

障害年金の審査基準である「障害認定基準」には、障害年金が支給されるための基準が示されています。そして、支給の基準は、いくつかの個別の支給要件から構成されています。

まず、「障害認定基準」をよく読んで理解する必要がありますが、支給の基準をあいまいにとらえるのでなく、傷病ごとの個別の支給要件をしっかりと確認しなくてはなりません。そして、注意すべきは、個別の支給要件の中には、数値で示されているような明確なものばかりでなく、抽象的な要件の体裁をとるものも含まれていることです。例えば、「日常生活に著しい制限がある。」などというものです。

こうしたことを踏まえれば、「病歴・就労状況等申立書」の作成にあたっては、「障害認定基準」の個別の支給要件を明確に意識するとともに、個別の支給要件に該当する具体的事実を丁寧に書き並べていくことがいかに大事であるかは論を俟たないと言えます。特に、抽象的な支給要件の場合には、支給要件に具体的事実を「あてはめ」ていく作業を「病歴・就労状況等申立書」の中で行っていく必要があるのです。
(例えば、「日常生活に著しい制限がある。」という抽象的な支給要件を満たすという目的のため、その要件を基礎づける様々な具体的な事実を「病歴・就労状況等申立書」の中にできる限り記載していくということです。)

もちろん、障害年金の診断書の記載項目は、「障害認定基準」の個別の支給要件に対応したものとなっています。
しかし、診断書の中においては、例えば「できる」「できない」「可能」「不可能」というような評価に関する記載はされていても、その評価を基礎づける事実に関する記載は必ずしも書かれていないのです。

そのため、先にも述べたように、障害年金の個別の支給要件、特に抽象的な要件の形で規律されているものに対しては、「病歴・就労状況等申立書」の中で、支給要件を基礎づける具体的な事実を、丁寧に拾い上げ例証として記載することが求められるのです。

以上の説明から、ここで述べた、「障害認定基準を意識すること」との視点は、①の「診断書とリンクさせること」の視点とも相通じるということがわかると思います。
①「診断書とリンクさせること」と②「障害認定基準を意識すること」の視点は、いわば比翼となるものであり、両者相まってこそ、「病歴・就労状況等申立書」の効果が最大限発揮され、障害年金受給の強力な武器となるのです。

Ⅱ どのような書き方をすればよいのか。(作成の方法)

Ⅰでは、「病歴・就労状況等申立書」を記載する際の「視点」について述べてきましたが、次に、書き方(作成の方法)についてのポイントを説明していきます。

ここで説明するポイントの内容は、以下のとおりです。
「障害年金受給のため、効果的な内容とするにはどうすべきか。」という、効果の点に主に着目してポイントを析出しています。

  1. ① 伝えたいことを明確にして書く。
  2. ② できるだけ具体的に書く。
  3. ③ 読み手を意識して書く。
  4. ④ あいまいな表現を避ける。
  5. ⑤ 家族に読んでもらう。

以下、順次説明をしていきます。

① 伝えたいことを明確にして書く。

この①の内容は、Ⅰの箇所で述べた「視点」を持って「病歴・就労状況等申立書」の作成を行うということと一部重なる内容です。

漫然と「病歴・就労状況等申立書」の作成をするのでなく、診断書の読み手(審査をする医師)に何を伝えたいかを明確にした上で、作成作業を進めることが大切です。

「証明書がとれない場合の初診日の正当性」「傷病と症状との間の因果関係」「就労の困難性」「日常生活の具体的な状況」など、「病歴・就労状況等申立書」で重点的に伝える内容は、それぞれのケースごとにことなります。
例えば、診断書に実際の状態よりも軽く書かれている箇所があるのであれば、「病歴・就労状況等申立書」に、まず「簡潔な形で事実を明記し、断定的に言い切ること」が必要です。それに続けて、「明記した事実」を基礎づける諸事情をできる限り書き加えていくのです。

このように、「病歴・就労状況等申立書」では、「何を伝えたいか」を初めの段階で明確にし、その伝えたい内容に十分な紙面を割くというように、重要な内容とそうでないものとを区別し、「メリハリ」をつけて作成をすることが大切です。

② できるだけ具体的に書く。

「病歴・就労状況等申立書」に説得力を持たせるには、具体的に書いていくこと(記載内容に客観性を持たせること)が大切です。

そのためには、日々の日常生活や職場の中で起こった具体的な出来事や事件などの生の事実を、現場が眼に浮かぶ臨場感ある表現で描写するのも方法の一つと思います。
また、数値化できるものについては、数字(例えば、何時間、何分、何回、何メートルなど)を挙げて記載すべきと言えます。
数字をあげることによって、可視化(見える化)することができ、説得力が増すからです。

その他注意することとして、一番悪い時の症状や状態を書くときには、特に詳しく記述をする必要があると言えます。

③ 読み手を意識して書く。

この「読み手を意識して書く」ということは、「読みやすく書く」ということでもあります。「病歴・就労状況等申立書」を読むのは、障害年金の審査をする医師です。
多くの障害年金の審査案件を担当しているため、一つひとつの「病歴・就労状況等申立書」を読むのに、それほど多くの時間をかけられないということも有り得ます。
そうした読み手側の事情も踏まえれば、読みやすい、一読して意味がわかる、印象に残る「病歴・就労状況等申立書」を心がける必要があります。

そのためには、以下の点に配慮すべきであると考えます。

Ⅰ「流れや方向性」を意識すること。
ここで、「症状が悪化しているのか」ということを例にとります。
症状について、細かい変化や些末な内容にとらわれてしまうと、大きな流れ・方向性を見失っていまい、読み手にも内容(症状や状態が悪化していく経過を辿っいるのか)がよくわからなくなることがあります。
また、文章自体の内容が、行ったり来たりして統一性を持たないと、事実を把握しずらくなってしまいます。

事実を見えやすくするため、あえて枝葉末節にとらわれず、病状などについての流れ(方向性)が一読してわかる内容にすることは、有意なものと考えます。

また、記載にあたって、「因果関係について、原因と結果をしっかりと対応させること」や、「文章中に接続詞を効果的に用いることで、論理の流れを明確にする」などによって、文章内容自体に流れをつけることができます。
そのことにより、テンポよく読むことができ、また伝えたい内容が、読み手に対してより効果的に伝わります。

Ⅱ 重要な内容は繰り返し記載すること。
「病歴・就労状況等申立書」の記載内容のうち、「重要な事柄」、「読み手に特に伝えたい内容」は、何回か繰り返して記載をすべきだと考えます。
例えば、「日常生活に著しい制限があり、家族の全面的な介助・支援を受けている。」というような記載は、キーセンテンスとなりますので、細かい言い回しを適宜変えた上で、何回か記載を重ね、読み手に印象に残すようにするのです。

Ⅲ その他注意すべきこと。
少しでも読みやすく、負担なく読んでもらうため、記載にあたっては、内容ごとに適切に段落分けしたり、小見出し(小題)をつけたりするなど、記載上の工夫をすべきと言えます。小見出しの例としては、「障害認定日時点の日常生活の状況について」というようなものです。
こうした小見出し(小題)をつけることで、読み手は、次に書かれる内容についての予測可能性を持つことができ、スムーズに読み進めることができるのです。

また、比較の表現の手法を用いることも効果的であると考えます。
「以前の状態(状況)」と「現在の状態(状況)」との両者を対置させる、比較の表現の手法によって、記載内容が闡明となることがあります。

④ あいまいな表現を避ける。

「病歴・就労状況等申立書」の記載にあたっては、あいまいな表現を避けるべきであると言えます。
あいまいな表現では、記載内容がよくわからないということになってしまいます。

そうなっては、「病歴・就労状況等申立書」の効果が弱められてしまい、また場合によっては、マイナスの効果をもたらしてしまいます。

特に、「症状の程度」「因果関係」「日常生活の制限」などの記載については、あいまいな表現(どちらともとれる内容)をとることのないよう注意すべきです。
事実に即して、断定的に言い切ることが、「病歴・就労状況等申立書」という表現の場においては必要となるのです。

⑤ 家族に読んでもらう。

「病歴・就労状況等申立書」は、書き上げた段階で、家族にも読んでもらいましょう。
自分では、なかなか気が付かない点も、普段から側で見ている家族の目で見るとよくわかることがあります。

書き落としたり、書き足りていない内容やわかりにくい箇所や表現などを家族からも指摘してもらい、必要に応じて内容を修正していくのです。
自分一人の力より、家族の力をあわせることで、より良い「病歴・就労状況等申立書」を作成することができます。

以上、「病歴・就労状況等申立書」の作成のポイントについて、説明をさせていただきました。
「支給・不支給」「障害等級」がボーダーライン上の場合、この「病歴・就労状況等申立書」が最後に威力を発揮することがあります。
そのため、あえて長文にわたる説明をさせていただくこととしました。
説明がわかりにくい点もあったと思いますが、「病歴・就労状況等申立書」を作成する上で、少しでも参考として頂ければ幸いです。

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